オール段ボールを使用した数少ない車両梱包の事例です。
2003年のクリスマス。フォーミュラーカー車両をニュージーランド(以下NZ)向けに緊急輸出の依頼が飛び込んできた事が、そもそもの始まりでした。
なにしろ、輸出相手国がNZだったこともあり、梱包木材に対しての植物検疫が厳しく制限されており、使用木材は、薫蒸釜による消毒が義務付けられ(詳細はコチラ)時間がないことから慌てて材木を手配すべく連絡を取ったところ、年末で釜が込み合っていてとても対応できないとの返事。しかも2日後には正月休みに入ってしまうらしい。
ところがNZの方では、年内に入らないと間に合わないとの事。
「さぁ困った・・・」頭を悩ますスタッフ一同。
そこにスタッフの1人から思いも寄らない一言が・・・
「木が使えないなら段ボールでやりましょうよ。」
「エッー!!」(∵)全員唖然。
まぁ、最初は驚かされたものの冷静に考えれば、強度面では問題ないことにも気が付いた。
しかし、今まで車両1台まるごと段ボールでなんてやった事もないので、多少の不安もあったのも事実。
いずれにしたって年内にNZに空輸で送るにはもう八方塞がりで、どうにもならない事は目に見えていました。
あとは段ボールに賭けてみるしかない。
決まってしまえば、あとはとにかく動くだけ「トライウォールK.K.」さんと「e-こんぽう.com」スタッフのお互いのノウハウをすり合わせ、例えば、今回は空輸する為、高さに制限があり、よりコンパクトに仕上げたいので部品の一部をフタの裏から吊って収めるなど、こちらの厳しい要求に応えてもらい、仕様から設計に多大な協力を賜り、梱包発送作業の前日には徹夜までして対応いただいた「トライウォールk.k.」さんには改めて、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
こんな事情があって本邦初公開(?)の梱包事例が生まれました。
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